ふにゃ!?今日の一言>エジプト旅行記3

今日の一言 エジプト旅行記編その3

今日の一言はじまって以来の長期連載「エジプト旅行記」の抜粋です.
旅行時期:2002.07.29〜08.07 連載時期:2002.08.08〜09.10

旅行記その1 / 旅行記その2 / 旅行記その3 / 旅行記その4

ページ内リンク
第89回 夜明けのルクソール編 / 第90回 ナイルを渡る編 / 第91回 エジプトの子供たち編 / 第92回 王家の谷を目指して編 / 第93回 山頂で見たものは編 / 第94回 つかの間の休息編 / 第95回 王家の谷編 / 第96回 世界一暑い炎天下編

2002/08/25(日) 第89回 エジプト旅行記 夜明けのルクソール編

 ハプニングを切り抜けて、予定よりもかなり遅れてルクソールに到着しました.

 何しろ当初の予定とは到着の日にちすら違うわけですから.

 

 ホテルの予約は解約してなかったので、我々は「思いっきり遅刻」したという扱いです.

 朝食もしっかり取れるみたいです.

 日本にいるときはほとんど朝食を取らない生活を送ってるオレですが、

 エジプトにいる間は、朝食が最もきちんととった食事でした.

 その日のカロリーをその日の朝に取らないとマジで死ぬことを思い知ったからです.

 朝食だけはホテルでバイキング形式で取れるというのも理由のひとつです.

 

 ようやく部屋で一休み.部屋は2人部屋×2.

 カイロで泊まっていた5つ星に比べると4つ星なので見劣りしますが、カイロと同じ編成です.

 

 と一呼吸置いたところで部屋の電話がかかってきました.

 オレ「Hello.」

 相手「Hello.」

 両者「・・・・」

 誰だろう.

 部屋に電話がかかってくる心当たりなんて、ホテルのフロントか、もう1個の部屋しかありません.

 ホテルからなら用件をすぐに言うだろうから沈黙にはならないだろう.

 ということは、もう1個の部屋からかかってきたに違いない.

 

 とりあえず日本語で応答してみるオレ.

 オレ「もしもし?」

 相手「もしもし」

 やはりヤツらか.用件はなんだ.

 と思ってタメ口モードに突入しようとしたその瞬間、

 

 「もしもし、私 HIS の○○と申します.」

 

 HIS かよ!オレらをこんな目に遭わせた張本人かよ!

 さっさと用件を言えよ!

 危うく、タメ口で会話するとこだったじゃねーか!<問題はそこではないぞ

 

 どうやら、ことの原因はエジプト航空と HIS の行き違いによるものだったと判明.

 飛行機に乗るためにはリコンファーメーション(予約を再確認すること)の手続きを搭乗3日前までにやらねばならなかったとのこと.それをやらない場合、自動的に予約はキャンセルされる.事前にHISからは「リコンファーメーションは必要ない」としっかり言われて、それを真に受けていたわけです.HIS側でその手違いが発覚したのは、我々が飛行機に乗る前日の深夜だったらしく、その後我々に連絡がつかなったために、カイロ・ルクソールそれぞれのホテルにその旨の連絡だけしておいたとのこと.

 要するにあれです.

 今後、エジプト航空と HIS は利用しないことがオレの中で大決定!

 

 そんなわけで、とりあえず飛行機代一人当たり30000円は返ってくることになりました.

 やれやれ.


2002/08/26(月) 第90回 エジプト旅行記 ナイルを渡る編

 ナイル川はご存知、エジプトに文明をもたらした母なる川.

 我々のホテルはナイル川の東側に面しています.

 5日目の予定はナイルの向こう側にある有名な「王家の谷」です.

 有名なツタンカーメンの墓がある谷です.

 

 我らのバイブル「地球の歩き方」によればルクソールの西の地区は広大であり、

 タクシーを1日チャーターしたり、自転車をレンタルするのが良いようです.

 まあ、ツアー旅行ならバスで連れてってくれるんでしょうけど.

 タクシーが苦手な我々は自転車をレンタルすることにしました.

 

 さて、出発です.

 ところでルクソールはカイロに輪をかけて暑いところです.

 気温にして45度!生き物の生息する温度とは思えません.

 

 準備は万全にしていきます.

 その1.濡れタオルを頭に巻きつけます.

 その2.飲料水2本と、それとは別に水道水を詰めたペットボトルを用意.

 その3.洗濯したばかりで濡れてるTシャツを着る.

 

 人間の6割は水だと言われています.

 しかし、まさか

 これらの水がなくなったらオレは死ぬんだろうな

 と切実に思うことになるとは、このときは知るよしもありませんでした.

 

 まずは自転車をレンタルしに行きます.

 我々は一刻も早く出発したいのに、エジプトの風習がそれを許しません.

 自転車レンタル屋との値切りバトル勃発です.

 粘った結果、一人一日8ポンド(約240円)で妥協.

 もう少し安く借りれるはずなんだけどなぁ.

 

 次にナイルの向こう岸まで渡らなければなりません.

 フェリーがその辺から出ているはずなのですが、いるのは民間ボートの客引きばかり.

 「1人1ポンドだよ.でも自転車は別料金ね.」

 本によるとボートは基本的にぼったくりらしいので、もちろんパス.

 

 これまでの経験上、何かを尋ねるときは警官に聞くのが確実.

 そこらじゅうに、ぼったくりの人たちがうごめいているからです.

 というわけで、警官にフェリー乗り場を聞いたのですが、

 近くのボートの客引きを連れてきやがりました

 

 お前もグルかよ!

 

 結局、自力でフェリー乗り場を見つけて乗船.

 本物のフェリーは自転車は無料で乗せることができました.


2002/08/27(火) 第91回 エジプト旅行記 エジプトの子供たち編

 今日は一息ついてちょっと小話です.

 無事にフェリーに乗った我々.

 船にはナイル川からくみ上げたばかりのバケツいっぱいの水が置かれていました.

 「火災対策かな」

 などと思っていたところに、子供がそこへ、てくてくやってきました.

 手にはコーラの空き缶

 

 まさか、と思った次の瞬間.

 バケツの水を缶にすくって飲む子供

 

 すげー!

 我々が飲んだら即、腹をこわすこと確実ですが、現地の子供にとっては何でもないようです.

 あまりにパワフルです.

 エジプト人はこうして鍛えられているのです.

 

 そりゃあ、日本人の3.5人に1人が下痢になるわけですね.


2002/08/28(水) 第92回 エジプト旅行記 王家の谷を目指して編

 結論から言うと

 エジプトをなめてました.

 これまでいろんな目に遭ったにも関わらず、まだまだ認識不足でした.

 

 王家の谷へのルートは2つあります.

 まずは次の図をご覧下さい.(そこ!「なんだ、この落書きは」とか言わない!)

 

ルクソール略地図

 

 1つは短くて険しいルート(青矢印1).もう1つは長くてなだらかなルート(青矢印2)

 長いルートは自転車をノンストップでこぎ続けて1時間の道のりです.

 ツアーバスやタクシーはもちろんこのルートです.

 普通にツアー旅行をしてればバスに揺られている間に着くのでしょう.

 

 ここで我々が選んだのは「短くて険しいルート」.

 ご覧の通りの山越えです.

 でも、まあ長いルートを炎天下に歩き続けるよりはマシだろう…

 などという認識はとてつもなく甘かったと言わざるを得ません.

 

 

 ところで長いルートは舗装された道路で本の地図にも実線でしっかり書いてあるのですが、

 

 短いルートは地図上で点線で細々と書いてあるのが非常に気になるのですが.

 

 

 

 

 

 まずは山のふもとに着きました.

 

 ・・・なんか見上げないと頂上が見えないんですけど・・・

 

 「おいおい.これマジで登るのかよ.」

 「てゆーか、道はどれ?

 「てか、人がいないぞ.オレら以外にこのルートで行く人いないの?

 

 この時点で、何かおかしいと気づくべきだったのです.

 いや、正確には気づいていたけど、気づかないフリをしていたのかもしれません.

 

 ルートを近くの警官に聞くもまともな返答は得られません.

 英語が通じないのか、はたまたチップをやらないと答えてくれないのか、

 もしくは、山を登ろうなどというアホがあまりいないのか.

 

 岩肌が露出している山をよく見ると、かすかに人の通った後のような白い筋が見えます.

 きっと、これが道に違いないということにして出発することにしました.

 この時点で何かが間違ってるような気もします.

 

 出発してほどなくして、数日前から下痢モードに入ってた友人が大事をとって脱落.

 ふもとに引き返して、そこで待機することにしました.

 今思えば彼の行動が正解だったのかもしれません.

 

 少し歩いては休憩し、少し休憩しては進む.

 途中からは岩肌に手をかけて登らないといけないくらい急になっていました.

 どれくらい急かというと

 ファイトーーー!いっぱーーつ!

 と叫びたくなるくらいです.

 

 というか.

 あまりに急なので登ることはできても降りることは不可能っぽいです.

 

 

 きついです.

 

 よくよく考えればわかることだったはずです.

 何のために王家の谷がこんな地形に作られたのか.

 今まさに登ってる山によって外敵の侵入を防ぐためではないか.

 

 しかし、まさか

 それを身をもって味わうことになるとは.


2002/08/29(木) 第93回 エジプト旅行記 山頂で見たものは編

 我々は疲弊しきっていました.

 山頂の休憩所.

 ハエがとんできても払えないくらいに.

 

 実はこの休憩所の手前でエジプト人に遭遇したのですが、

 物売りでした.

 

 まったく、ところ構わずな人たちです.

 てゆーか、何? なんでこんなひと気のないところで待ち伏せしてるの?彼らは?

 

 

 とか、そんなツッコミどころ満載なネタもかすむほどに疲れてました.

 

 

 かなりの時間を休みました.

 ここでひとつの問題がありました.

 

 

 

 

 どうやって王家の谷まで下りるんだろう

 

 

 メチャメチャ根本的な問題でした.

 

 谷というからには、この山を越えておりなければなりません.

 が、その道がわからないのです.

 見渡す限りガケなのです.

 

 とりあえず一番なだらかな道を下っていくことにしましたが、

 途中で足を滑らして右手を負傷したり、

 二手に分かれてる道で、こっちかなぁと思って行ってみたら断崖絶壁だったり.

 

 唯一の救いは景色が素晴らしいことくらいですか・・・.

 そうだ.きっと我々はこの景色を見るために登ってきたにちがいない.

 絶対そうだ.

 

 なぜなら、

 そうでも思わないと、やってられないからです.

 ↑全然理由になってません!


2002/08/30(金) 第94回 エジプト旅行記 つかの間の休息編

 やっとたどり着いた王家の谷.手近な日陰の休憩所で休憩です.

 もう水はぬるくなっていましたが、ミネラルウォータで水分を補給しつつ、

 用意していた水道水を頭からぶっかけました.

 

 休憩してる間に、そこにいたエジプト人に話し掛けられました.

 会話してるうちにこんな話になりました.

 「今の『チョット待ッタ』ってどんな意味だ?」

 

 「『チョット待ッタ』は "Wait a minute." の意味だ」

 ちゃんと説明したんですよ.それなのに

 

 別れ際におっさんが放った別れの挨拶は

 「Bye. 『チョット待ッタ』

 

 ・・・.覚えたての言葉をとりあえず叫ぶのはやめて下さい.

 

 日本人としては本当に「ちょっと待って」しまうので.


2002/08/31(土) 第95回 エジプト旅行記 王家の谷編

 さて、ようやく王家の谷の観光です.

 なんで観光に来たはずなのに冒険してるのかよくわかりませんが.

 

 王家の谷にはいくつかの墓(洞窟みたいな穴ぐら)があり、それぞれへ入るにはチケットが必要です.

 ですがチケットは谷全体の入口に売っているので、入口を探さなくてはなりません.

 

 どうやら我々は

 入口を通らずに王家の谷に入ってしまったらしい

 ので.

 

 

 やっぱり我々の通ったルートは正規のものではなかったんでしょうか.


「地球の歩き方」の谷内地図

 実際の地形とは似ても似つきません.

 ビックリするほどいい加減です.

 

 さらに言うと、

 

 「地球の歩き方」のコメント書いてる人、絶対に全部の墓の中に入ってません

 コメントまでいい加減です.

 

 

 王家の谷の内部には数十個の墓があります.

 チケットは「これ1枚で好きなのを3個見れる」という形で販売しています.

 

 そして「地球の歩き方」の各墓のコメント欄で、やたら詳しいのが3つだけあります.

 他のは、谷の敷地内に置かれてる看板の一言コメントそっくりです.

 

 いくら全部に入ってたら結構お金かかるからって・・・.


どこにでもいそうでいないんだけど、やっぱりいる物売り

 絵ハガキが10個くらい連なったものを、すだれのように広げて見せて一言

 

 「One million dollar!」

 

 100万ドルかよ! 絵ハガキが1億円以上かよ!

 ふっかけるにもほどがあります.


2002/09/01(日) 第96回 エジプト旅行記 世界一暑い炎天下編

 王家の谷からの帰り道はルート2の長くてなだらかな道を選びました.(下図参照)

ルクソール略地図

 再び山越えする体力もないし、この状態であの急激な山を下りることは

 冗談でなく転落死の危険がつきまとうからです.

 

 あの過酷な崖越え山越えに比べれば平たんな道を歩くくらい軽い軽い

 などと考えていた時点で間違っていました.

 まだまだエジプトを見くびっていました.

 

 初めのうちはタクシーが止まって勧誘をしてきたのですが、

 高すぎるか、あまりに安すぎて怪しすぎるかのどちらかでした.

 我々は過酷な山越えをしてきたのだから、平たんな道くらい余裕だろう・・・

 そう思っていました.

 

 

 途中からはもはやぬるま湯と化した水を飲み、水をかぶりながら歩き続けることになりました.

 時間は13時〜14時くらい.一日のうちで最も暑い時間帯です.

 くわえてここはルクソール.世界有数の猛暑地帯

 まわりは見渡す限り岩山と砂漠地帯

 太陽がほとんど真上にあるため日陰もほとんどありません

 

 

 誰だ.こんなとこ、歩こうなんて言い出したヤツは!

 答え.全員.


エジプト旅行記 第97回〜第105回 へ続く


ふにゃ!?今日の一言>エジプト旅行記