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今日の一言 エジプト旅行記編その2

今日の一言はじまって以来の長期連載「エジプト旅行記」の抜粋です.
旅行時期:2002.07.29〜08.07 連載時期:2002.08.08〜09.10

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第81回 カフェの有名人編 / 第82回 謎のアラブ人再び編 / 第83回 交通事情編 / 第84回 今日の金額編 / 第85回 最大の悲劇編 / 第86回 我々の身に何が起きた編 / 第87回 第3の解決策とは編 / 第88回 駅編

2002/08/17(土) 第81回 エジプト旅行記 カフェの有名人編

 エジプト旅行記も10回目を数えます.まだまだ続きます.

 なるべく最初から読んだ方が良いと思いますので、

 エジプト編はこちらから.

 

 イスラム寺院地区を適当に歩き回った後、カフェで休む予定になっていました.

 エジプトの真昼間を歩き回るなんて、自殺行為

 そう感じた我々の、作戦です.

 

 「地球の歩き方」によるとここに3つくらいカフェがあるはず….

 

 早速、カフェの客引きがやってきた.

 「日本人か?」

 「あ、その本にオレ載ってるんだよ.」

 「えーっと、あ、これこれ.」

 …確かに、すっげーちっちゃく彼は載っていた.

 

 「どうだ.本に載ってるから安心だろ.」

 

 怪しすぎです.

 当初は行く予定でしたが、かえって行きたくなくなってきました.

 適当に断って、歩きながら作戦会議を開く我々.

 しかし歩き回ってるうちに、マジで暑さが身にしみてきて、再びカフェに行くことにする.

 

 待ち構えていたヤツ!

 とりあえず値段を聞く.

 高ぇ!!

 

 渋っている我々を見て、彼はこんなことを言い出した.

 

 

 「よし、じゃあこうしよう.」

 

 

 「腕相撲をして勝ったらタダにしてやろう」

 

 おいおい.

 

 さすがエジプトです.

 

 まさかいきなり腕相撲勝負を挑まれるとは思いませんでした.

 

 もちろん勝ち目はないので、断る我々.

 しかし、同時に休憩の予定も奪われた我々.


2002/08/18(日) 第82回 エジプト旅行記 謎のアラブ人再び編

 カフェで休むという選択肢のなくなった我々は、とある建物(寺院で)で涼みました.

 そこで小一時間、近くのエジプト人と談笑(?)したり、水分補給したりした後、出発.

 

 もう少し歩いてみていると、全然違う場所で再びモハンマドくんに遭遇する(謎のアラブ人登場編参照).

 あまりに違う場所で遭遇したのですが、彼は一体何をやっているのか.

 やっぱ怪しすぎです.

 

 今度こそブルーモスクに連れて行くと言い張る彼.

 警戒しながらもついて行くことにします.

 

 迷宮のような通りを縫うように歩いていく彼.ついていく我々.

 地図を見ていると、とりあえず方向は合っていそうなんですが….

 

 道中「近くに知り合いのカフェがあるんだ.寄って行かないか」と言われる.

 そら来た! 警戒レベル上昇.

 「No!!」断固拒否する我々.

 やれやれといった面持ちで再び、歩き始める彼.

 

 てくてくてくてく.

 

 ….なんか、辺りに人気があまりないんですけど.

 もはや、完全に観光客の通る場所ではありません.

 警戒レベルはさらに上昇.

 

 我々3人の意見を調整する.もちろん彼にはわからないように日本語で.

 「大丈夫だろう」「方向が合ってる限りついていってみよう」「もう絶対やばい」

 

 んーむ.

 結局もう少し歩いてみることにします.

 

 さらに歩き続ける我々.

 

 なんかオレにはこの先が行き止まりにしか見えないんですが.

 あたりには瓦礫の山のような建物がゴロゴロ転がっています.

 凄まじすぎます.

 一般観光客が目にする光景でないことだけは間違いありません.

 

 警戒レベルMAX

 

 我々の一人がついに行くことを拒否し始める.

 モハンマド「大丈夫だ.絶対にとって食ったりはしない.」

 モハンマド「金も取らない.どうしても信用できないのなら逆に俺の金をやる」

 

 結果的に、もう少しついていくことに.

 しばらく後にブルーモスクに到着.

 

 え?マジで??

 

 明らかに普通の観光では来れない道のりでした.

 おそらく現地の人の案内なしで、ここにたどり着くのは不可能でしょう.

 

 実物は本に載っているものより数段ボロいものでした.

 適当に眺めて早々に立ち去ることに.

 

 モハンマドくんにはその後タクシーを拾えるところまで案内してもらいました.

 結果.

 彼は(たぶん)いい人でした.

 ごめんな.モハンマドくん.そしてありがとう.

 でもオレたちには、別れる時になるまでいい人とうさんくさい人の見分けがつかないんだ.

 何しろ、その違いは

 別れ際に別れ際に多額の金を要求してくるか否かにかかっているのだから.


2002/08/19(月) 第83回 エジプト旅行記 交通事情編

 今日は一息入れて小話系です.

 

 エジプトには信号がほとんどありません.

 その上、速度制限もありません.

 そして車の量はハンパではありません.


 その1

 おそらく日本人が、日本と同じ感覚で運転すればあっという間に事故を起こします.

 逆にエジプト人が日本で運転すると、あっというまに違反を犯すでしょう.

 

 これで事故が起きないのかと言われれば、

 起きました.目の前で.

 

 車と車の衝突です.

 乗っていたバスの目の前で起こりました.

 

 やっぱ恐ぇな.おい.


 その2

 車が走りまくってるのに信号が無いということは、

 車がビュンビュン走ってる道を横断することになります.

 さすがに慣れたもので、人々は1車線ずつ平然と横断していくのです.

 

 車衝突事故が起きた後、同じバスに乗ってる間に2つめの出来事は起こりました.

 

 突然アラビア語で怒鳴りだすバスの運転手.

 

 見るとバスの前を悠々と歩く1人の老婆

 なおも怒鳴り散らす運転手.

 そんな言葉にはピクリとも反応しない老婆

 いい加減キレてる運転手.

 なおもシカトする老婆.

 

 ばーちゃん、あんたすげーよ!

 それともこれもエジプトの日常なのだろうか.


2002/08/20(火) 第84回 エジプト旅行記 今日の金額編

 さてさて.今日もエジプト旅行記のお時間がやって参りました.

 驚くべきことにまだ旅行日程の3日目なのが恐ろしいです.

 

 3日目は第79回に書いたように3人行動でした.

 さて3人全部でいくら使ったでしょう.

 バス代.タクシー代.昼食.夕食.

 

 ちーん.

 全部あわせて39ポンド(1170円)でした.

 

 3人でですよ?

 何しろ 2 ポンド(60円)の昼食で食いきれずに残すくらいですからね.

 マクドナルドも真っ青です.

 

 

 我々がそんな極貧旅行をしていたとき、もう1人のホテルに待機してた下痢の人はというと

 5つ星ホテルでフルーツとか食ってやがりました.30ポンド(900円)でした.

 

 高ぇよ!どうなってんだ、この国の物価は.


2002/08/21(水) 第85回 エジプト旅行記 最大の悲劇編

 旅にアクシデントは付き物です.

 まあ、普通に考えられるアクシデントってなんでしょうかね.

 

 「バスが時間通りに動かなかった」

 うんうん.なるほどー.

 

 「食べ物があわなくて体調不良になった」

 そりゃぁ、大変だ.

 

 「大したことないものを高額で買わされた」

 それはご愁傷様です.

 

 

 

 だけどな.

 オレに言わせりゃ、そんなものはハプニングのうちに入らないのですよ.

 言ってみりゃ、「ハプニング」の「ハ」くらいですよ.そんなもの.

 

 今回、遭遇したアクシデント.

 それは

 

 

 

 

 

 予約してた飛行機に乗れなかった

 

 

 遅刻したわけでもないのに!(大泣)

 

 

 

 4日目は首都カイロから南にあるルクソールへ飛行機に向かう予定でした.

 ここで飛行機に万が一にも乗れなかったら一大事です.

 万全の体制を持って、かなり早い時間に空港には着いていたんです.

 あまりに早く着きすぎてブラックジャックをしてたくらいです.

 

 そう.万が一に備えていたにも関わらず

 「万が一」の「一」の方を引くことになるとは思いませんでした.

 

 

 これは大変なことです.

 その後の旅行の日程もすべて白紙に帰します.

 それどころか当日泊まる宿すらありません.

 

 近年まれに見る大ピンチです.


2002/08/22(木) 第86回 エジプト旅行記 我々の身に何が起きた編

 何がどうしたのか!

 なぜ、我々は飛行機に乗れなかったのか.(前回参照)

 何でこんなアホなことになったのか?

 

 なぜ、いつもながらネタが湧いてくるような旅なのでしょう.

 友人には

 「お前と一緒に行くと必ずトラブルに見舞われる」

 と、素でトラブルメーカーの烙印を押される始末です.

 

 なんや? オレが悪いのか?

 

 いや、落ち着け.まずは深呼吸だ.すーーーーーっ.っ.ぐ.げほっ.げほっ.

 冷静に順を追って考えていきます.(気を取り直して)

 

 4日目、予約してた飛行機に確実に間に合うために早めに出発しました.

 手続きなどで多少手間取ることを考慮に入れての行動です.

 

 空港に到着し、手続きをするであろうカウンターを確認.

 時間まで待機することにします.

 ここまでは問題ありません.

 

 まず大丈夫だろうと安心した我々はヒマつぶしにブラックジャックなどをしてました.

 写真も撮りました.みんな楽しげに写ってます.

 その後、自分たちの身にふりかかる出来事も知らずに.


 時間です.

 人もボチボチ集まり始めました.

 

 しばらくすると、その場に集まってた人たちが移動を始めました.

 あれ?

 周りの人によると「コンピュータが壊れた」とのことです.

 んなアホな!!

 エジプト航空に疑念を抱かせ始めた一瞬です.

 

 移動先のカウンターには人が殺到しています.

 そして全員が殺気立っています.

 「なんだなんだ!?」

 わけがわかりません.

 予約している飛行機に乗るのに、なぜこんなに殺気立っているのか.

 

 よくわからずに、とりあえず並んで順番を待つ我々.

 ガンガン割り込まれる我々.

 割り込み方が尋常ではありません.

 カウンターの最前にいても、後ろから手が伸びてきて割り込んできます.

 エジプトの方々、ちょっとパワフルすぎます.

 というか、この国は「割り込み優先」ですか?

 

 必死にバリケードを張って、なんとかカウンターの人に手続きを申し込む我々.

 他のとこへいけとたらい回しにされる我々.

 なんだー!?

 何がどうなってるんだ!?


 こんなことがどれくらい続いただろうか….

 結局、我々は飛行機に乗せてはもらえなかった.

 

 

 

 何が起きたんだ?

 

 

 

 確かに予約してたはずなのです.カイロ→ルクソール×4人分.

 切符の予約は日本の旅行代理店 HIS を通して行ったはずです.

 切符を手配した友人の話では、そのときしっかり念を押して確認したので大丈夫なはずです.

 

 

 

 じゃあ、これはどういうことだ!?

 

 

 

 事務らしきところで抗議する我々.

 当然英語なので、話を伝えるだけでも一苦労.

 結果わかったこと.

 

 どうやら、キャンセル待ちとして登録されてたようです.

 

 

 

 なんでやねん!(泣)


2002/08/23(金) 第87回 エジプト旅行記 第3の解決策とは編

 前回までのあらすじ.前回前々回を参照してください.

 

 結局、飛行機に乗れませんでした.

 ラチがあかないので旅行代理店 HISに連絡を取ろうにも、

 HIS はエジプト支社を持っておらずその場に国際電話もありません.

 使えねーよ! HIS !!(実名批判)

 エジプト航空にいたってはお話にもなりません.

 

 

 とりあえず、今後どうするのかの方が重要です.

 事務の人に言い渡された解決策は2つ.

 

 1つはこの後8時間後の夜の飛行機にキャンセル待ちをかける方法.確実性はまったくない.

 もう1つは、翌日の便に予約を入れること.こっちは空きが3つだけある.

 

 しかし、

 エジプトは日本とは違います.

 キャンセル待ちを早めにかけたからといって必ず座れるとは限りません.

 なぜなら、エジプトは経験的に割り込み優先だからです.

 我々はどうあがいてもキャンセル待ちの席を獲得できません.

 

 

 悩んだ末に我々が取った方法は、そのどちらでもない第3の選択肢でした.

 

 飛行機に乗れず、宿もない我々.

 ここで取った我々の行動とは列車で行くこと.

 飛行機の案では、離れ離れになる可能性があったからです.

 携帯電話も使えない外国で離れ離れになるのが最も危険だからという判断です.

 

 

 問題は2つ.

 

 1つ.かなり遠いため確実に寝台列車になるということ.

 そのためきっちり予約をする必要があるということ.

 予約は時期が時期なら1週間前くらいには取る必要があるらしい.

 

 2つ.危険な地帯を通過するということ.

 カイロやルクソールは比較的、観光地として治安が良いのですが、他の場所はやばいです.

 どれくらいやばいかというと

 駅から10分のホテルに行くだけでも警官の付き添いが必須であるくらいヤバイ.

 それから

 列車強盗とかもいるらしいです.(涙)

 

 

 シャレになってません.

 

 

 我々の取った対策は、少しでも安心な最高級の寝台列車に乗ること.

 へそくり出動です.

 「世の中は金である」ことを実感してしまった瞬間です.

 1人2万円の突然の出費は痛いが、命には変えられません.


2002/08/24(土) 第88回 エジプト旅行記 駅編

 というわけで、列車に乗ることになったわけです.

 「何が『というわけで』じゃー!さっぱりわからん」

 という人は前回とか前々回とかその前とか適当にみてください.

 

 高級寝台列車ワゴン・リーには空席があったので、席を無事ゲット!

 「地球の歩き方」によれば、1週間前から予約が必要とのことだったが、

 オフシーズンだったのが幸いしたのでしょう.

 というか、基本的には夏にエジプトに行くのは間違ってます.(涙)

 

 チケット売り場で手続きをしていると、窓口の向こう側が騒がしい.

 しばらくしていると、とんでもない大声で口ゲンカを始めました

 どれくらい大声だったかというと、

 部屋の外にいた警官が入ってきて注意をするくらいです.

 もちろんアラビア語だったので内容はわかりません.

 

 既にお金も払い終わった後なので

 「席はもう満杯だよ.勝手にチケット売るなよ.」

 「もう金はもらっちまったんだ.なんとかしろ.」

 という口論だったらどうしようと思っていたのですが、どうやら違ったようです.

 

 

 飛行機の件があったので、駅へはとにかく早めに行きました.

 20:00発の列車に乗るために駅に19:00から待機です.

 今度こそ乗りそこなうわけにはいきません.

 

 チケット売り場では19:30にホームに行くと良いと言われましたが、念には念を入れます.

 

 19:00に駅に着いた我々は情報収集を開始.

 そのホームで確実に合っているか?

 乗るはずの2号車はホームのどの位置に止まるのか?

 とにかく慎重です.

 

 そう、そのために1時間も前に来たのです.

 しかし、ふと駅の時計を見ると

 

 19:30

 

 

 なんで、駅の時計が30分もずれてるんだ!

 一体、ここの人たちは何を基準に電車に乗っているんでしょう.

 この国は電車の発車時刻までルーズなんですか?

 

 つくづくとんでもない国に来てしまったものです.


エジプト旅行記 第89回〜第96回 へ続く


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