第1章 基礎知識
 はじめに
「基礎知識」と銘打ってはおりますが、こんなもん全く基礎でもなんでもないです。というか、本気で書こうと思ったら恐らく全5ページほどに及ぶ大論文になるので適当に割愛します。それでもかなり書きまくっていますが。でも全部見てくれないと内容が理解できないと思います。ごめんね。
 平均レベル10.25  その弊害
ドラクエ8の低レベルクリアは、前述の通り、既に平均レベル10.5でのクリアが達成されております。レベルを1下げた程度では従来の戦術を流用するだけで達成できてしまうではないかという声もあるかと思われます。が、残念ながら、話はそう簡単ではありません。理由はスキルポイントにあります。ククールの累計スキルポイントはLv.24で47.Lv.25で51です。スキルの種は合計6つ入手できるのですが、うち3つはゼシカの双竜打ち習得に必須なので、ククールに投与できるのは残り3つです。3つ投与した場合の累計スキルポイントはLv.24で62.Lv.25で66.さて、ドラクエ8の低レベルクリアでは重要な特技が2つあります。1つは双竜打ち、もう1つはバイキルトです。後は大防御とかピオリムとか。双竜打ちは、ゼシカの鞭スキル23で習得できるので基本9ポイント+スキルの種3つ15ポイントで難なく習得できます。しかし、バイキルトは習得条件が厳しく、ゼシカをLv.19にするか、ククールの杖スキルを65に上げるかしかありません。前者は論外なので、ククールの杖を上げるのですが、Lv.24だとたった3ポイントの差でバイキルトの習得は不可能です。バイキルトがあるのと無いのとではダメージが1000以上違うので、バイキルトが無いだけでダメージが圧倒的に足りなくなります。ラスボス戦はあと100ポイントでも足りなければ撃破できない…という状況の下撃破するので、1000以上も足りないというのは大問題です。バイキルトを使用するのはラスボス戦のみです。よって、ラスボス戦にのみ特化して種や木の実の分配を考えれば、他のボスは正直どうにでもなります(ゲモンは適当分配でも実は何とかなる)。とは言うものの、当然味方のステータスも他の低レベル攻略とは違うものになりますので他のボスに対しても一から戦術を練り直すことになります。とにかく今までの低レベル攻略の常識に意味はありません。プレイヤーの戦略や経験、臨機応変な対応などが試されます。
 
要約すると、バイキルトが無いということです。
 低レベルクリアの(僕の)歴史
2008年5月8日 全ての始まり
2008年10月20日前後 ニコニコ動画に入会。ゲモンまでの撃破動画を公開
2008年11月8日 ちびラプ撃破
2008年12月17日 くねお氏の存在を知り、攻略を諦める。
2009年3月2日 庭のRTAレポートでキャプテン・クロウを裏技で飛ばせることが判明
2009年12月11日 ドラクエ8最高抑制型低レベルクリアを開始。が、嘆きの亡霊で断念(仲間呼び前に倒すなんて無理)
2010年3月22日 本攻略のラスボス戦における究極理論を確立。早速開始。上のデータを採用
2010年7月29日 ゲモンで途中詰まりかけるも、ちびラプを無事撃破し、ニコニコ動画に1年8ヶ月ぶりに公開。
2010年8月13日 そして本攻略が達成される。
 
つまり企画段階や伏線(?)も合わせると2年間もかかっていた訳です。こんなやりこみ見たこと無い!
 敵データの見方
<凡例>
HP412 MP58 攻153 守180 素102 EXP619 G73 1回行動
ザラキーマ、ベホマ、ザオラル、マヌーサ、メダパニ、ラリホーマ 
 
ボスのデータは上のように表します。
1行目が敵の能力。2行目が敵の行動です。
重要なのが3行目。訳の分からないものが羅列されていますが、これは呪文耐性を表します。
メ:メラ系耐性
ギ:ギラ系耐性
イ:イオ系耐性
ヒ:ヒャド系耐性
バ:バギ系耐性
デ:デイン系耐性
炎:炎系耐性
雪:吹雪系耐性
ル:ルカニ系耐性
死:ザキ系耐性
眠:ラリホー系耐性
乱:メダパニ系耐性
幻:マヌーサ系耐性
吸:マホトラ系耐性
封:マホトーン系耐性
毒:毒系耐性
痺:麻痺系耐性
岩:岩石系耐性
休:1ターン休み系耐性
踊:踊り封じ耐性
呼:おっさん呼び耐性
 
また、その下の数字は呪文耐性の程度を表しています。具体的には以下の通りです。
(単位:%)
種類
攻撃呪文
80
60
40
0
補助呪文
100
85
40
0
炎、吹雪
100
80
60
0
※攻撃呪文は基本ダメージの何%のダメージか、補助呪文は何%の確率で有効かを表す。
 
ちなみにこいつはブラックルーンです。
 味方特性
まずは味方を知らねばなりません。
 
※主人公
勇者様です。
この人はレベルを上げるとギラ系呪文を極め、更に回復もベホマにまで到達します。勇気スキルを上げるとメガンテやベホマズン、更にデイン系呪文まで極めます。更に他のスキルによる特技の破壊力も申し分なく、ギガスラッシュやジゴスパークなど強力な特技を連打します。
しかし、主人公はこれだけでは終わりません。主人公は低レベルでもかなり強いです。
まず格闘スキル11で覚える大防御。これは全ての攻撃のダメージ(防御無視攻撃除く)を10分の1に軽減するという技であり、他シリーズとは違い、ブレスまで軽減します(少なくとも6の大防御はブレス軽減なし)今回の攻略では使えないですが。
更にチーム呼びというものがあり、これはモンスターチームを呼び出し、うまく使えば主人公たちは無傷のまま、多くのボスを瀕死状態に陥らせるというゲームバランス崩壊の技です。
低レベルにして最強の攻撃力と防御力。さすが主人公です。
 
※ヤンガス
人情で厚いことで有名ですが、ドニの町で相手が言いがかりをつけてきたからとは言え、人が座っている椅子を投げつけたりカオスな行動を連発します(笑)
それは置いといて、この人はレベルが高くなるとかなり弱く、不遇キャラとなってしまいますが(Lv.99の時点で主人公に全能力で負けている)低レベルでは… やはり微妙です。HPの高さや耐久力の高さは魅力的ですが、主人公の大防御やゼシカの双竜打ちのように、これといった特技もありません(唯一、兜割りならある)。しかし、素の能力値が高いので敵の攻撃にある程度は耐えられます。本攻略では底力という意味での強さは…最下位と言わざるを得ませんが(というかチーム呼び主人公と双竜ゼシカがあまりにも強すぎる)それでも要所要所で活躍を見せてくれます。
 
※ゼシカ
ドラクエ歴代最強です。何故か。彼女は属性呪文を4つも極め、更に補助呪文にも長けており、ザオリクまで習得します。
そして彼女の切り札は通常攻撃の3倍の威力を叩き出すチート級特技、双竜打ちです。これを使うと初期レベルでもSHT状態で2000を超えるダメージを相手に与えることが出来ます。言っておきますがこれは物理攻撃です。彼女の力は初期レベルで11です。繰り返しますがこれは物理攻撃です。また、ピオリムを習得することが出来ます。ドラクエ8のピオリムは強力であり、効果が永続な上、星振る腕輪+疾風のバンダナを装備したらLv.1主人公でも1度これを唱えればいきなり素早さが142となり、ラスボスをも上回ります。はっきり言って強すぎます。耐性防具にも優れまくっていて、水の羽衣+メタルキングの盾でほとんどダメージを食らわなくなってしまいます。さすがシャマル様の末裔だけある。水鏡の盾が装備できないのでメタルキングの盾は彼女に渡すべき。
 
※ククール
クリフトな呪文を覚えます。彼は回復呪文がかなり使え、ベホマラーやザオリクなど便利な呪文を多く覚えます。今回は覚えないけど。また、彼だけが覚える「スカラ」はルーンスタッフの2倍の守備力を上げるので、効果が単体とはいえ、ボス戦では結構役に立ちます。攻撃面で多彩ですが、いまひとつ火力不足なのが残念です。一応大防御を覚えますが、格闘スキルが68も必要なのでその能力が日の目を見ることはほとんどありません。残念。今回は単純にレベルが高いので、HPも高く、また耐性防具にもそれなりに優れているので3番目ほどに役に立ちます。
 スキルポイント
ドラクエ8の特徴としてまず上がるのはスキルポイントシステムです。これはレベルが1上がるごとに決まった数だけ上昇します。ただし、主人公、ヤンガスの場合はスキルポイントはLv.4から獲得します。また、スキルの種を使うとその場で5ポイントのスキルポイントを得ることが出来ます。但し、スキルポイントにはリミット値があり、レベル×2+25までしか上げることが出来ません。100にするにはLv.38は必要です。
ドラクエ8の低レベルクリアにおいてはスキルポイントをどう配分するかはとても重要です。ぶちスライムを狩りまくってほぼ無限に手に入るどこぞの熟練度とは違いますから。
 
今回はラスボスを考慮した配分にします。
 
※解説
ラスボス戦時点でのスキルポイントをまとめてみましょう。
主人公:0
ヤンガス:10(目立つ特技が無いので兜割りで十分)
ゼシカ:9
ククール:47
 
まずは、バイキルトが無いことによるダメージの不足を補う特技を習得したいところです。
スキルポイントに余裕がありそうなククールで考えましょう。マヌーサで3ポイント使うので残りは44.ここである特技が出てきます。五月雨打ち。威力は通常攻撃の1.5または2倍です。ククールは単純に力が高く、オーディーンボウもククールの最強装備なのでSHT状態なら4桁ダメージに普通に到達するでしょう。1000ダメージ程度の差はこれで埋められるはずです。さて、この五月雨打ちを習得するのに必要なスキルポイントはいくつでしょう。なんと44です。まるで計算しつくされたかのようにぴったりです。マホカンタを習得することができませんが、それにより厳しくなるボスはドルマゲス2と呪われしゼシカの2戦のみです。この2匹は何とかなるでしょう
 
続いて、主人公の大防御について考察します。が、ゼシカの双竜打ちがゲモン戦で必須なこと。それによってスキルの種を3つ使ってしまうことを考えると、残念ながら大防御を覚えられるのはゲモン後です。レオパルド、マルチェロ、ちびらぷは全て大防御が無くても勝てるし、そもそもラスボス戦でも大防御が必要になる場面はありません(マダンテに耐えることは可能だが)。杖戦で使えれば良さそうですが、普通の防御でもメラゾーマ+イオナズンに9割以上耐えることを考えると、ほとんど必要ありません。よって、主人公の大防御にスキルは回しません。
 
よって、スキルの種が3つ余りました。主人公に投与して疾風突きを覚える手もありますが、実際問題、疾風突きは使えないので無意味。ここはゼシカの短剣を9上げてポイズンダガーを習得させるのが良いでしょう。マホカンタを覚えて勝率がそう低くないボスの勝率を引き上げるより、トラップボックス(勝率3%程度)の勝率を4割程度に引き上げるほうがよほど効率が良いのはすぐに分かるでしょう。1個余りました。マホカンタも覚えられなくなってしまったので、ダメージの底上げのためにヤンガスに斧攻撃力+5か、色々と役に立つピオリムか。今回は悩んだ結果ピオリムにしました。攻撃力+5で兜割り撃ってもダメージは2.5しか変わらないので。それにこのピオリムは、ラストバトルで大きな役割を果たします。さすがにそんなことは考えていませんでしたが、結果オーライと言ったところでしょうか。
 ダメージ計算式
ドラクエ8のダメージ計算式は他のシリーズと基本的には同じです
 
※通常攻撃
A±B=ダメージ。
 
A=(攻撃力÷2)−(守備力÷4)
B=(A÷16)+1
 
※会心、痛恨の一撃
会心の一撃=A×C
痛恨の一撃(タイプ1)=A×D
痛恨の一撃(タイプ2)=A×2.5
 
0.95≦C≦1.05
0.85≦D≦0.95
 
※呪文、ブレス
(基本ダメージ−鎧耐性−盾耐性)×固有耐性
※鎧耐性が先に計算されるのがポイント。
 
※基本ダメージ表
呪文名
基本ダメージ
マヒャド
60〜70
メラ
7〜12
イオ
15〜20
メラミ
52〜62
イオラ
35〜45
メラゾーマ
120〜140
イオナズン
95〜115
ギラ
10〜18
バギ
6〜18
ベギラマ
22〜34
バギマ
14〜34
ベギラゴン
60〜80
バギクロス
40〜90
ヒャド
12〜20
ライデイン
70〜90
ヒャダルコ
30〜40
ギガデイン
175〜225
 
ブレス名
基本ダメージ
火の息
6〜10
燃え盛る火炎
30〜40
激しい炎
65〜85
灼熱の炎
150〜170
冷たい息
13〜16
凍りつく息
50〜60
凍える吹雪
120〜140
冷たく輝く息
210〜230
 
いずれの場合も小数点以下は四捨五入される。
 各キャラ耐性
さて、物理攻撃の計算式は納得が行くと思われますが、特殊攻撃のダメージ計算式で納得行かない人がいるでしょう。何故ならメラゾーマの基本ダメージは120〜140であるにも関わらず、実際には96〜112のダメージしか受けないからです。更に、無耐性時のイオナズンのダメージは76〜92であり、イオ系を70ポイント軽減する「ドラゴンローブ+メタルキングの盾」を装備してもダメージは6〜22にはならず、20〜36です。何故でしょう。
それは、各キャラに耐性があるからです。ドラクエ8でおなじみの耐性はヤンガスのメラ、炎耐性やククールのヒャド、吹雪耐性とかでしょう。イオ系には全員無耐性とされています。が、実は無耐性ではありません。全員がイオ系に80%耐性を持っているのです。
では先ほどの式に放り込みましょう。イオ系80%耐性のキャラが「ドラゴンローブ+メタルキングの盾」装備でイオナズンを食らった場合のダメージは…
 
((95〜115)−70)×0.8=20〜36
 
計算が合いました。
 
味方キャラの耐性は大体こんな感じです。
(単位:%)
耐性
主人公
80
80
80
80
80
60
100
100
ヤンガス
60
80
80
80
80
80
80
100
ゼシカ
80
80
80
80
60
80
100
100
ククール
80
80
60
80
80
80
100
80
※状態異常の耐性は良くわからないので割愛。
 
主人公:ラリホー、メダパニ
ヤンガス:毒、マホトラ、マホトーン
ゼシカ:無し
ククール:ザキ、マホトラ、メダパニ、マヌーサ、麻痺
 
あたりに耐性があるようです。ククールの状態異常耐性が凄い。
 補助呪文
ドラクエ8では補助呪文が恐ろしく重要です。特にルカニとピオリムは必須です。
しかし、今回は低レベルという条件ゆえ、多くの補助呪文を使用することが出来ません。しかし、ドラクエ8には道具として使うと補助呪文の効果があるアイテムが数多く存在します。これを使わない手はありません。
 
補助呪文
代用法
スカラ
ククールLv.12
スクルト
ククールLv.14、ルーンスタッフ
ルカニ
ゼシカLv.9、兜割り
ルカナン
大親分の盾(いらない)
ラリホー
まどろみの剣
マヌーサ
ククール杖3、砂塵の槍
マホトーン
魔封じの杖
 
 種、木の実
種名
入手個数
13
12
7
6
16
13
6
 
ドラクエ8は、大量の種、木の実が存在…するわけではありません。普通です。しかも命のブレスレットやソーサリーリング、その他各種装備品で底上げ出来まくることが響いて1個あたりの上昇量は少ないです(種が1〜2、木の実が3〜4.例外は賢さの種で1〜3.スキルの種は一律5)。この木の実をどう分配するかも考えなくてはなりません。
 
ラスボスに特化しようと思いましたが、命の木の実と守りの種が余りまくるので、杖戦に特化します。これだとゲモンが厳しいですが、ゼシカに命の木の実を投与したところで勝率はあまり変わらない戦術なので大して支障はありません。
 
耐性
主人公
0
0
0
0
0
5
0
ヤンガス
2
12
0
0
13
0
0
ゼシカ
11
0
0
0
1
0
6
ククール
0
0
7
0
0
0
0
※命の木の実を2つ、不思議な木の実を1つ錬金で使用します。
※賢さの種と不思議な木の実が余っているのはどうでもいいからです。要りません。
 テンションシステム
ドラクエ8にはご存知の通りテンションシステムなるものが存在します。
テンションは全部で4段階あり、最終段階はスーパーハイテンション(通称SHT)という特殊な状態になります。
 
テンションを上げると、補助呪文の効果や、攻撃のダメージが増えたりします。
その倍率は次のようになります。
 
段階
味方の上昇倍率
敵の上昇倍率
+5
×1.7
×1.5
+20
×3
×2.5
+50(HT)
×5
×3.5
+100(SHT)
×7.5
×5
 
また、SHT状態ではいかなる攻撃で受けるダメージでも7割に抑えられます。ドラクエ9では半減なのに…。まあそのかわり8のほうが上昇倍率は高いですがね。まあ9だったらステータス異常とか無効ですがね。
 
※SHT時のダメージ計算
(A×特殊倍率×7.5+E)×特技属性倍率
 
特殊倍率=武器倍率(ドラゴンキラーのドラゴン系1.3倍など)×特技倍率(正拳突き1.5倍など)
特殊属性倍率とは火炎斬りの1.15倍(ギラ系)など
 
E=(レベル÷5+1)×4
×4が計算される前に、1度切り捨てされるようです。
 
※初回SHT
SHTは溜める(とそれに関連する何か)の合計が90回を超えたら使用できます。また、船入手後は無条件で使えるようになります(たぶん)。
SHTの発動率は50%で、発動しなかった場合は「テンションは上がりきらなかった」となります。本気で僕は50%だとは思えないのですが、ザオラルのことを考えると50%で合っているのではないかと思ったりとか(ちなみに体感では33%)
しかし、初めてSHTになるときは、必ずSHTが発生するという技があります。張り切りチーズなどで複数人が初SHTになる場合は、そのメンバー全員が。
これは、プレイヤーにSHTの意味を分からせるためだと思います。確かに初プレイで「上がりきらなかった」ら「何のことなんだ」ってなりますからね。
あまりにも長く知識披露しても仕方が無いのでこの辺で。

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